社会還元~生と死に向き合い、幸せの原点を考える~

災害時に欠かせない存在として

ゲリラ豪雨や土石流など、異常気象による災害が、年々深刻化してきているようです。各自治体では、こうした場面において、被災者に対する精神面でのフォローが大切であることを認め、保健師の派遣を積極的に行うようになってきました。

避難時の健康状態を確認するにとどまらず、身近な生死に伴う精神面のケアを行うことは、保健師の大変重要な役割です。また、助けを必要としている人のそばで、「常に寄り添ってくれる専門家の存在」は、それだけで大きな励みになります。

相手の顔を「みる」商売

「みる」には、見る、看る、診る、視るなど、いろいろな意味があります。保健師に必要なのは、これらすべての「みる」です。

インターネットや通信手段の発達により、相手を見ずに成り立つビジネスも数多く出現してきましたが、保健師の場合は違います。なぜなら、相手の希望や環境により、必ずしも解決方法が1つではないからです。

例えばがんの末期患者など、手術や強い薬による治療を望まず、自宅で穏やかに最期の時を迎えたいという方もいらっしゃいます。その人にとっての「本当の幸せ」は、決してメールや電話で共有できるものではありません。

これからの保健師に必要なこと

行政の意識に変化が生まれ、個人の価値観が多様化してきた現在、プロの保健師を求める声は以前よりも増加しています。また、当協会メンバーの押栗さんが唱える「街の保健室」のような、新たなインフラも望まれてくるかもしれません。

時代という潮流が大きく流れますと、ともすればかじ取りを誤り、間違った方向へ進みがちです。しかし、そのようなときこそ保健師の原点に立ち返り、自分の仕事に責任を持たなくてはいけません。

「常に寄り添い、意見を一方的に押しつけず、その人に笑顔を取り戻す」。

日々の業務で迷うようなことがあったら、常にこの原点に立ち戻ってみてください。