「コンビニ感覚の手軽な健康診断を目指して」川添高志さんの場合

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kawazoe

中野区でケアプロ株式会社を運営する保健師、川添高志(かわごえ・たかし)さんの趣味は、国内外への旅行だという。特に温泉を巡りながら花見をするのが好きで、いつかは書画も手がけてみたいと話す。そんな旅行好きの川添さんが予防医療に興味を持ったのも、アメリカで研修していたときの、とある出会いがきっかけだった。

在学中から独立資金1千万円を確保
高校時代にボランティアをしていた老人ホームで、経営状況がサービスに直結している現状を目の当たりにした川添さんは、医療と経営について学ぼうと慶應義塾大学看護医療学部へ進学した。
アメリカの医療機関で研修中、偶然立ち寄ったスーパーで見かけたのは、ワクチン接種が受けられる旨の看板だった。興味を持って近づいてみると、ほかにもさまざまな医療サービスを安価で提供しており、「インストア・ヘルスケア」という独自のマーケットを築いていることが分かった。
「こんな場所でも医療サービスが受けられるなんて…」。いつかは独立したいと考えていた川添さんの、その後の行動は早かった。大学三年生の秋に、ほぼ飛び込みで経営コンサルティング会社の門をたたくと、卒業を挟んだ約2年間で、起業に必要な資金約1千万円を稼いだ。
その後、東京大学病院の糖尿病代謝内科病棟で予防医学を学ぶ一方、「インストア・ヘルスケア」に関するビジネスプランを東京大学医療政策人材養成講座で発表。見事、優秀成果物の「特賞」という栄冠に輝いた。

ワンコインで受けられるヘルスチェック
「重症になってから病院に来たのでは遅すぎる。町の至る所で手軽に行える予防医療の仕組みがあれば、早期の対応が行えるのではないか」。川添さんは、この社会的課題を自ら解決しようと、革新的なアイデアで健康的な社会を築く専門家集団、ケアプロ株式会社を立ち上げた。
最初は、趣旨に賛同してもらえたフィットネスクラブ内で、試験的な「ワンコイン検診」を行ってみた。そのときの手応えを通じて川添さんは、「ビジネスとして収益を上げ継続性を持たせることが、評価につながる」という経営の根本を、改めて実感したという。
500円で受けることができる「ワンコイン検診」、今では、利用者の数はのべ10万人を超えた。これからは、外食産業で提供する、ヘルシーなメニュー作りにもかかわっていきたいそうだ。

継続こそ力なり
川添さんは、独立のコツを、「継続できるかどうかにかかっている」と話す。悩みがあるうちは、それを明確にして不安材料を取り除き、できれば事業計画書を作成してから望むことが好ましいそうだ。
ともすれば忘れがちな「経営」という指標は、保健師が持つ知恵やノウハウを社会に還元し続けていくためにも、常に意識していく必要がある。「経営状況がサービスに直結する」という問いかけは、ケアプロ株式会社の原点であり、法人が信用と評価を受けるための重要な要素といえるだろう。